主な泉質による温泉の分類 |
掲示用新泉質名 | 代表的な新泉質名 | 旧泉質名 |
単純温泉 湧出時の温度が25℃以上。溶存物質含有量が1,000mg/kg未満で、特殊成分を含む療養泉に該当しないもの |
単純温泉 | 単純温泉 | 単純温泉 |
アルカリ性単純温泉 (pH8.5以上) |
ようは成分が薄いということでこう呼ばれる。無色、透明、無味、無臭のものが多いが、主要な成分が泉質の特徴を現していることもあり、なかなかあなどれない。有名な温泉にも単純温泉はたくさんある。 アルカリ性単純温泉系つるつる湯 → ナトリウムイオン(Na+) と炭酸イオン(CO32- )がおよそ50mg以上になるとつるつるする傾向にある。 |
塩類泉 溶存物質含有量が、1,000mg/kg以上のもの。湧出時の温度は不問
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塩化物泉 | ナトリウム-塩化物泉 | 食塩泉 |
陰イオンの主成分が、塩素イオン(Cl-)。 飲用すると塩辛く、塩分濃度が濃いと苦く感じられる。磯の香りのような弱い刺激臭があったり、臭素臭がする場合もある。色は少量でも鉄を含むと緑色になり、さらに多いと赤褐色に近づく。 塩分が皮膚をコーティングするため湯あがり後もポカポカ感が持続する。 |
炭酸水素塩泉 | ナトリウム-炭酸水素塩泉 | 重曹泉 |
カルシウム(・マグネシウム) -炭酸水素塩泉 | 重炭酸土類泉 |
陰イオンの主成分が、炭酸水素イオン(HCO3-)。 重曹(炭酸水素ナトリウム NaHCO3)を含むものと、カルシウムやマグネシウムを含んだ2種類がある。 重曹泉は、すべすべ・つるつるする触感があり、重曹特有の薬臭がある。色は透明から褐色、黒色まである。 皮膚の角質を柔らかくする作用がある。 重炭酸土類泉は、緑褐色や黄土色が多く土類の金気臭がある。鎮静作用や炎症を抑える力がある。 重曹泉系つるつる湯 → 炭酸イオン(CO32- )が多いとつるつるする傾向にある。 |
硫酸塩泉 | ナトリウム-硫酸塩泉 | 芒硝(ぼうしょう)泉 |
カルシウム-硫酸塩泉 | 石膏(せっこう)泉 |
マグネシウム-硫酸塩泉 | 正苦味(しょうくみ)泉 |
陰イオンの主成分が、硫酸イオン(SO42-)。 飲むと苦味を感じる。透明なことが多いが、金属イオンによって黄褐色のものもある。 芒硝泉は、薬味が特徴。 石膏泉は、焦げたような湯の香が特徴。 正苦味泉は、ピリッとした苦味が特徴。 |
特殊成分を含む療養泉 湧出時の温度や溶存物質含有量は不問
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二酸化炭素泉 | 単純二酸化炭素泉 | 単純炭酸泉 |
遊離二酸化炭素(CO2)を1g/kg以上含むもの。 新鮮な状態の湯であれば、全身に炭酸の泡が付着することが多い。 炭酸の刺激で、実際の温度より熱く感じるが、しばらくすると冷えた感じがしてくる。ひりひりした入浴感。清涼感がある。 ※「遊離」二酸化炭素とは? 二酸化炭素(CO2)が水に混ざると、そのまま遊離二酸化炭素(CO2)として存在しつつ、一部はイオンに解離する。 CO2(二酸化炭素) + H2O(水) → CO32- (炭酸イオン) + H+(水素イオン) というふうに、ちょっと酸っぱい(水素イオンによって酸性になる) 「炭酸水」ができる。 湧出した温泉に、大量の空気やその他の気体成分が含まれている場合があるらしい。 そんな場合、源泉から湯舟までの距離が近く湯量が多いと身体にアワがつくことがあるそうです。 ということは、お湯が新鮮だということ。二酸化炭素泉ではないけれど、身体にアワがついたらよろこんでください。(^o^)/ |
鉄泉 | 鉄(U)-炭酸水素塩泉 | 炭酸鉄泉 |
鉄(U)-硫酸塩泉 | 緑礬(りょくばん)泉 |
総鉄イオンを20mg/kg以上含むもの。 湧出時には無色透明だが、空気に触れると変色する。赤い色と渋味が特徴。匂いも鉄の錆びの匂いがする。 緑礬泉は酸性で湧出し、酸味を感じることが多い。 総鉄イオン:鉄(U):Fe2+ 鉄(V):Fe3+ |
銅泉 | | |
銅イオン(Cu2+)を1mg/kg以上含むもの。大変稀有な泉質らしい。 こうつ(ふいご)温泉 (徳島県) | 13.5mg | 田子町落合川原源泉 (青森県) | 2.75mg | 大谷温泉 (島根県) | 1.3mg | 飯豊鉱泉 (福島県) | 1.0mg | 多田温泉 (島根県) | 0.6mg | 美郷温泉 (徳島県) | 0.5mg |
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アルミニウム泉 | アルミニウム-硫酸塩泉 | 明礬(みょうばん)泉 |
溶存物質含有量が、1,000mg/kg以上あり、陰イオンとして、硫酸イオン(SO42-)、陽イオンとしてアルミニウムイオン(Al3+)を100mg以上含有するもの。渋柿のような収斂味と褐色の湯が特徴。ロゼワインのような色のものもある。 |
酸性泉 | 単純酸性泉 | 酸性泉 |
水素イオン(H+)を1mg/kg以上含有するもの。多くの場合、遊離硫酸(H2SO4)や遊離塩酸(HCl)の形で含まれ強い酸性を示す。 酸味が一番の特徴。硫黄を含むことが多く、その特徴を併せ持つことが多い。肌にピリピリと刺激があり殺菌力が強い。 |
硫黄泉 | 単純硫黄泉 | 単純硫黄泉 |
単純硫黄泉(硫化水素型) | 単純硫化水素泉 |
総硫黄(S)2mg以上含有するもの。単純硫黄泉と硫化水素型がある。 単純硫黄泉は、無色透明無味無臭の場合が多いが、新鮮だと硫黄臭が感知できることもある。 硫化水素型の特徴は、タマゴ臭(硫化水素臭)。色はさまざまで透明から白濁、緑色、透明、黄白濁、青白濁、灰色などがある。
総硫黄(S):硫化水素イオン(HS-) 遊離硫化水素(H2S) チオ硫酸イオン(S2O32-) 硫化水素イオン(HS-)が多いと、緑色になる傾向がある。 |
放射能泉 | 単純放射能泉 | 放射能泉 |
8.25マッヘ単位以上の放射能を含有するもの。 ラドン(気体)を含み一般的にラジウム泉と呼ばれている。温泉大国日本でも数が少ない。ラドンは呼吸とともに体内に取り込まれるが、地表に出るとすぐ空気中に拡散してしまうので湯口のそばに入るのがよい。 放射能は感知不能のため透明、無味、無臭であるが、食塩系や炭酸系のものもあり、それぞれの特徴をあわせ持つことも多い。 |
療養泉でない温泉 「温泉法的には温泉」だが、療養泉の規定には達せず、泉質分類できないもの 便宜上の通称として、含フッ素泉 メタほう酸泉 メタけい酸泉などがある
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で最後に、「新泉質名解読の法則」。 例えば、これ。 酸性・含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉 低張性 中性 高温泉 酸性 | : | 水素イオン(H+)を1mg/kg以上含有するもの | 含硫黄 | : | 硫黄2mg以上 | ナトリウム | : | 主な陽イオン成分 | 塩化物・硫酸塩 | : | 陰イオン成分で、一番多いのが塩化物。二番目に多いのが硫酸塩 | 低張性 | : | 溶存物質総量8g/s未満 | 中性 | : | pH6以上pH7.5未満 | 高温泉 | : | 42℃以上 |
特殊成分(二酸化炭素 鉄 銅 アムミニウム 酸性泉 硫黄泉 放射能泉)を含む泉質の場合は、 「含鉄-」「含硫黄-」「酸性-」のように、泉質名の先頭に表記される。 (-)の前は、陽イオン。(-)の後は、陰イオン。 (・)は、同じカテゴリーを併記するときに用いる。(・)の前にある成分は、後のものより含有量が多い。 |